中学1年生のときから漠然と「アメリカに行きたい」という思いがありました。当時はまだ夢が決まっていませんでしたが、医師・会計士・弁護士などを考えたとき、日本語だけでなく英語もできた方が将来の選択肢も広がると感じました。
高校2年生の冬、本気で留学を決意し、まずは1年間行ってみようと決めました。アメリカは移民も多く、先進的な国というイメージがあり、自分もそんな環境で挑戦してみたいと思いました。
参加生の声
赤坂 好麦さん
留学期間 | 2024年 |
---|---|
留学先 | サウスイーストミズーリ州立大学 1学年留学 |
日本の在籍校 | 立命館大学 |
留学したきっかけ
高校2年生のときに、JAACの交換留学プログラムでアメリカに渡りました。そのときの経験が自分にとって大きな転機となり、大学に進学してからも「今の自分だからこそ挑戦できる留学があるのでは」と思うようになりました。
高校時代にお世話になったJAACに再び相談し、自分の意思で2度目の留学に踏み出すことを決めました。
日本の大学在学中の1年間留学について

日本の大学には多くの留学プログラムがありますが、自分のやりたいことと本当に合っているかを見極めることはとても大切だと思います。私自身、学内のプログラムでは少し物足りなさを感じ、自分のやりたい学びや過ごし方を大事にしたかったので、大学を1年間休学して留学することにしました。
留学先の大学には授業以外にもクラブ活動やイベントが多く、自分の興味を広げられるきっかけがたくさんありました。学びの場が教室の外にも広がっている環境で、「何を学ぶか」だけでなく、「どう過ごすか」も含めて、留学を充実させる鍵だと実感しました。
留学中に履修した授業と、日本との違い
Business World、Marketing、Artなど、専攻分野に加えて関心のある分野にも挑戦しました。特に印象的だったのは、グループディスカッションの多さです。自分の意見を伝えたり、仲間と考えをすり合わせたりする中で、主体的に学ぶことの大切さを実感しました。
ビジネスの授業では、企業分析の発表に加えて、実際にその企業の商品を買ってきて観客に試してもらうというユニークなプレゼンも行いました。発表スタイルの自由度が高く、創造性やチームの個性が活かされる場面が多かったことは、日本の大学ではあまり経験できない学びだったと感じます。
Artの授業では、作品制作だけでなく、クラスメイトの作品に対して講評を行う時間もありました。相手の表現を受け止め、言葉で伝える経験は、作品を見る目や伝える力を大きく育ててくれました。
大学での生活(寮・課外活動など)
滞在中は学生寮で生活していました。2人部屋で、1学期ごとにルームメイトが変わり(ベトナム、ネパール出身)、異なる文化に日常的に触れることができたのは貴重な経験でした。少し生活リズムや習慣の違いに戸惑うこともありましたが、それも含めて留学ならではの学びだったと思います。授業が終わったあとの友人との何気ない会話や勉強の時間が、この留学生活をより豊かなものにしてくれたと思います。
高校・大学での留学を通して得たもの

高校留学はコロナ禍での実施だったため、授業の多くがオンラインで、思うように活動できない時期もありました。そんな中でも、念願だったチアリーディングに参加したり、ホストファミリーとの生活を楽しんだり、今でも大切な思い出です。また、親元を離れて自分と向き合う時間が増え、自分の考えや価値観と深く向き合うことができました。
そして大学留学では、将来をより深く考えるようになりました。授業や人との出会いを通じて、「自分が何に興味があるのか」「何を深めたいのか」が徐々に明確になっていったように思います。
高校留学の帰国後もホストファミリーとの関係は続いており、大学の冬休みには再びお家に滞在させてもらうなど、今も交流が続いています。
将来の目標
高校・大学での留学を通して、「英語を学ぶ」だけでなく、その先にある文化や価値観に触れ、自分自身の視野を広げることが私にとっての留学の醍醐味でした。大学生活の最後にSEMOでの経験を積むことができたことは、確実に自分を一回り成長させてくれたと感じています。
そして、これまでの経験を活かしながら、国や文化の垣根を越えて人と関われる仕事に挑戦していきたいと考えています。
豊田 萌恵さん
留学期間 | 2020年5月入学 |
---|---|
留学先 | Southeast Missouri State University 進学 Mathematics & statistics (数学統計学) ・Psychology (心理学) 専攻 Data science (データサイエンス) 副専攻 |
留学したきっかけ
高校時代の短期交換留学をきっかけに、英語で新しいことを学ぶ楽しさに目覚め、いつかアメリカで本格的に勉強してみたいと思うようになりました。また、アメリカの大学では自分の興味に合わせて柔軟にカリキュラムを組める点や、大学の頃から研究活動などが盛んにできる点、多様な価値観、社会課題に触れられる環境に魅力を感じ、進学を決意しました。
学んでいる学問分野
現在、大学院では公衆衛生学(Community Health)を専攻しており、大学学部では応用数学、統計学、心理学を専攻しデータサイエンスを副専攻として学びました。特に統計学やデータ解析を通して、医療や健康サービスへのアクセスに関する社会的な課題を分析することに関心があります。
どんな勉強なのか
公衆衛生の中でも、私はオピオイド過剰摂取などの薬物使用に関する救急医療データを使って、再来院リスクや治療アクセスの分析を行っています。多変量回帰分析や空間分析、ベイズ統計などを活用し、政策提言につながる研究を目指しています。
アメリカの大学生活について
私は大学1年生の頃から大学院進学を目指し、そのために早くから研究活動や課外活動に力を入れてきました。1年生の時は教授のもとで研究アシスタントとして活動し始めました。また心理学クラブなどの課外活動にも積極的に取り組み2年次には幹部(Executive)としてクラブ運営に携わりました。3年次にはホームレス支援の非営利団体でアナリストとしてインターンを経験し、3・4年次では学生研究発表会やデータ分析コンペティションで連続受賞を達成しました。心理学と数学の二重専攻を優秀卒業(graduated with distinction)で卒業しました。また、良い成績を維持し、magna cum laudeのラテン式栄誉称号も授与されました。
こうした様々な体験ができたのもアメリカの大学の魅力の一つかなと思います。授業カリキュラムに加えてこうした副次的な活動も幅広く、やってみたいな、興味があるなと思うことに積極的に挑戦させてくれる環境は自分にとって第一の成長の場だったと思います。もちろん悔しい思いをして泣いてしまった日もありましたが、自分の興味に素直に向き合って頑張る姿は誰かが見てくれていて、研究やチーム活動、学会などを通じて、自分らしく貢献できる場所が自然と見つかっていきました。共に学んだ仲間や支えてくれた教授たちは、今でも大切な存在です。
幸運なことに、University of Illinois Urbana Champaign (UIUC) の大学院プログラムに合格し、Graduate Assistant (GA)として採用されました。GAは授業料全額の免除に加え、教育・研究の実務経験も得ることができます。さらに給与も支給されるため、生活面でも安心して学業に集中できています。現在は学業と研究の両立で忙しい日々ですが、優秀な同僚と切磋琢磨する環境のもと、毎日が非常に充実しています。
大学留学を通して学んだ事
大学留学で得た経験は数えきれないほどありますが、なかでも最も大きかったのは、「当たり前」だと思っていた価値観が、文化や環境によって大きく異なることを実感できたことです。特にアメリカでは、人種、ジェンダー、宗教、LGBTQ+、社会的背景など、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が共に暮らしており、その多様性を尊重する文化が社会全体で推奨されています。友人との会話の中でも、マイノリティの権利や社会的不平等といったテーマが日常的に話題に出てくることが多く、自分自身の視野の狭さに気づかされるとともに、多様性への理解を育む貴重なきっかけとなりました。また、このような環境の中で生活することで、「自分らしさ」とは何かを見つめ直す機会にもなりました。
二つ目は、自分で自分の道を切り開く力です。留学は時に挑戦の連続で、忍耐力と継続力が求められます。待っているだけでは誰も手を差し伸べてくれず、自ら行動し続ける姿勢が必要です。アメリカには “The squeaky wheel gets the grease”(目立つことが助けを呼ぶ)というフレーズがあり、自分を発信し続けることの重要性を示しています 。性格的に控えめな私は、このような文化の中で苦労する場面も多くありましたが、地道な努力と粘り強さを武器にいろんなことを乗り越えてこられたと思います。私にとって大学留学は、これからの人生において困難や新しい挑戦に直面したときに、自信と指針を与えてくれるかけがえのない財産です。
将来の目標
製薬企業や医療・ヘルスケア関連の機関で、統計やデータサイエンスを活用して実社会の課題を解決する仕事に携わりたいと考えています。将来的には国際的な視点から、公衆衛生や医療政策の改善に貢献できる統計者またはデータサイエンティストになりたいです。
- 3年生の時にした非営利団体のインターン最終日です。真ん中はお世話になった直属の上司で左は研究先の部署のデレクターです。
- 一年に一回開催されるカーペディウムの集合写真です。これは四年生の時のです。
- 4年生の時にシカゴで行われた心理学のregional conferenceに参加したときの写真です。Distinction(優秀卒業)で行った研究の発表をしました。
- 数えきれないほどお世話になった心理学の教授です。ときにはオフィスに押しかけて泣いてしまうこともありましたが、そんなときもいつも変わらず耳を傾けてくださいました。
- 4年生の時にデータアナリシスのコンペにチームで出場した時の写真です。Best in Statistical Analysisをいただきました。
- 四年生の時student research conference senior capstone oral presentationで一位と二位をいただいた時のです。左はお世話になった統計の教授です。
- Provost Awards (各学部から卒業予定者の中で1名に授与される学術賞)をいただきました。
- 日本人のみんながお祝いに来てくれました。
- 卒業式の前夜のお別れパーティーの時のです。
- 卒業式の写真です。
- 大学院に入ってから初めて行ったカンファレンスの様子です。現在行っている研究の発表をさせていただきました。
- イリノイ大学では校内で音楽フェスなど様々なイベントがあって時間がある時は友達と参加したりしています。
- イリノイ大学メインの場所です。Quadと呼ばれていて校内イベントなど行われる場所です。
暖かくなってきた時期はクラスの間などに寝転んでゆっくりする場所にもなります。
冨澤 蒼依さん
【UCバークレー合格インタビュー】
JAAC高校留学制度卒業生 冨澤 蒼依さん
JAAC高校留学制度を利用し、高校留学を経て、2025年に世界トップクラスの大学であるカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)に見事合格を果たした冨澤蒼依さん。
高校留学を決意した理由から、現地での苦労や学び、進学準備、そして後輩へのメッセージまで、たっぷりお話を伺いました。
- 1. 高校留学をしようと思ったきっかけは?
- 2. 留学前に一番不安だったことは? 実際どうでしたか?
やはり英語力が不安でした。日本では英語を話す機会もなく、現地で会話が通じるかどうか不安でしたし、家族と離れることも心配でした。
実際行ってみると、最初は苦しかったです。特に学校の先生の話は速かったですし、私は教科書英語しか話せずいました。聞き取れないことも多かったです。でも同じ留学生の仲間がいたことは心強かったですし、お互いに支え合いながら少しずつ学校生活にも馴染めるようになりました。 - 3. 現地での学校生活・ホームステイで印象に残っていることは?
最初の半年はホストチェンジもありましたが、それ以降はカレッジを卒業するまで同じ家庭で生活しました。そこには多くの子どもたちがいて、韓国からの留学生とも交流できたのが良い思い出です。
- 4, 現地の高校・カレッジの様子は?
高校は小さな学校で逃げ場もなかったのですが、その分コミュニティカレッジは大きな環境で、自分にとってとても居心地の良い場所になりました。履修や授業登録も複雑で、何度もカウンセラーに相談しながら、成績はストレートAを目指して必死に頑張りました。
- 5. 英語力はどのタイミングで伸びたと感じましたか?
コミュニティカレッジでのプレゼン授業やレポート課題、グループでのディスカッションなどを通して、特にリスニングとライティング力が伸びました。英語の授業も最初は速くて苦戦しましたが、メモを取り、質問し、わからないままにしないよう心がけていました。友人にも助けられ、グループワークでも責任感を持って取り組みました。
- 6. UCバークレーを目指そうと思ったきっかけと、進学準備について教えてください。
2024年の8月ごろからトランスファーの相談を始め、12月にアプリケーションを提出。もともとアメリカで公認会計士になりたいという夢がありましたが、会計学ではなく、マーケティング、会計、貿易など幅広く学べる経済学を選択しました。
UCの出願では共通エッセイもあり、ネイティブではない留学生ならではの苦労や価値観を正直にストレートに伝えることを意識しました。たくさんの人に添削してもらい、納得いくまで準備しました。
- 7. 進学準備はどのように進めましたか?
成績はすべてAを目指し、エッセイも先生やホストファミリー、韓国からの留学生の友人に何度も添削をお願いしました。UCの出願では8つの質問の中から3つ答えるショートエッセイがあり、これまでの留学経験や自分の挑戦、価値観をアピールしました。
カレッジの授業選択ではカウンセラーとの相談は決して欠かさず、ミスのないよう何度も確認しました。 - Q8. 合格を知った瞬間の気持ちは?
金曜日の午後4時に結果が発表されると聞き、ずっとスマホを握りしめていました。合格の画面を見た瞬間、今までの苦労や悔しさ、不安、家族への感謝がこみ上げました。何度も夢にまで見た瞬間でした。
- 9. 留学生活で得た一番の学びは?
人とのつながりの大切さです。家族、ホストファミリー、友人、カウンセラー、そしてJAACの皆さん、本当にたくさんの方に支えられてここまで来られました。アメリカは何もかも自己選択。だからこそ、信頼できる人とつながること、相談することの大切さを強く実感しました。
- 10. 留学前・留学中・進学準備で、JAACのサポートで特に助かったことは?
ホストファミリーでの生活の確認や問題の早期対応、現地でのサポートなど、常に寄り添ってくださる安心感がありました。初めての海外渡航も、JAACを通して行けたことで不安も大きく減り、本当に助かりました。大学進学のトランスファーの仕組みも、米国大学を卒業された現地スタッフにサポートしていただき、不安が解消されました。
- 11. これから留学を考えている後輩たちにメッセージをお願いします。
留学生活は想像以上に大変で、苦しいことも多いです。でもその先には必ず夢が叶う瞬間があります。途中で諦めず、一歩ずつ進めば、必ず未来は開けます。周りの人を大切にし、相談しながら、ぜひ挑戦してみてください!
編集後記
努力と行動を積み重ね、世界最高峰のUCバークレー校に見事合格を果たした蒼依さん。その言葉には重みと説得力があり、これから留学を目指す後輩たちにとって大きな励みになるはずです。
JAACスタッフ一同、これからのご活躍を心から応援しています!